上野 雄次 展 -花-
上野雄次 「花」 Ueno Yuji “Flower”
会期:2025年3月7日(金)~3月30日(日) 10:00 – 17:00
*3月7日、3月22日は13:00から開館
会場:板室温泉大黒屋サロン
※宿泊以外の方もご覧いただけます。
■上野さんは会期中毎日滞在しております。
■ デモンストレーション(公開花いけ): 会期中の毎週日曜日 10:00 – 11:00
■ 展示構成の変更: 会期中、定期的に展示構成(花いけ)を変更予定。
主に金曜日(11:00~14:00)に展示構成の変更のため、その時間帯のご来館の際はお気をつけください。
板室温泉大黒屋では、2025年3月7日(金)から3月30日(日)まで、花道家・上野雄次による個展「花」を開催いたします。上野氏は、自然との対話をテーマに、花そのものが持つ生命力や空間との関係性を探求する「花いけ」で知られています。彼の花いけは、単なる装飾としての花ではなく、自然の摂理や存在の本質に迫る試みであり、その美学は国内外で高く評価されています。
上野雄次は、京都府生まれ鹿児島県出身。独学で花道を学び、国内外でのインスタレーションやパフォーマンス、個展を通じて独自の花いけ表現を確立してきました。伝統的な花道の枠にとらわれず、自然と人間の関係性、空間における花の存在意義を問い続け、現代的な感覚で花の美を再解釈しています。これまでに日本各地のギャラリーや文化施設での展示に加え、海外でも数々のプロジェクトを展開しています。
彼の花いけの哲学は、次のような言葉に集約されます。
「実に単純で限りなく美しい天地森羅万象の理にしたがい、 時に澄み渡る空のように晴れやかで真っ直ぐな、 時に暗く淀んだ淵に沈み込む、 実に厄介で曖昧な人の心に寄り添い続け、 その他全てのことから自由であることをここに宣言致します。」
この言葉は、彼の花いけが自然と人間の内面、そして宇宙の理(ことわり)と密接に結びついていることを物語っています。花をいけることは、自然との対話であり、人間の内面との対話でもあります。上野氏は、野に咲く花を探し、土地の生命力を感じさせる素材を用いて生命の上昇を表現し、破壊的で爆発的な創作物を通じて生命の力強い生の状態をトレースしてきました。植物から出発し、同じ自然界の存在である人間とつながる、そんな基本に忠実な花の哲学を、花いけでは大切にしています。
今回の展覧会では、大黒屋が所蔵する花器を中心に、上野氏ならではの花いけインスタレーションが展開されます。本展は、単なる静的な展示ではなく、会期中に定期的に展示構成を変え、訪れるたびに新たな発見があります。主に金曜日に構成が変わり、花や空間が生きていることを実感できる展示となるでしょう。特に、春の訪れがまだ遠い3月の板室で開催されることにより、花の持つ儚さと力強さ、そして空間に生まれる緊張感が一層際立ちます。
本展は板室温泉大黒屋にとっても初めての「花いけ」の展覧会となります。通常、花いけは短期間の展示や一時的なインスタレーションとして行われることが多い中、本展のように約3週間にわたる長期展示は非常に珍しい試みです。季節の移ろいとともに変化する花の表情、空間との対話をじっくりとご堪能いただける特別な機会となるでしょう。
また、会期中の毎週日曜日には、上野氏自身によるデモンストレーション(公開花いけ)を開催いたします。このデモンストレーションは、花がいけられる瞬間そのものをみることができる貴重な機会です。上野氏が花を手に取り、素材の表情や空間のバランスを直感的に捉えながら、花が新たな命を得る瞬間を共有します。その瞬間、花のエネルギーと空間の息づかいを感じられます。会期中は上野氏自身も板室に在廊予定であり、直接その感性や花いけに対する哲学に触れる貴重な機会となります。展示は宿泊されながらご覧いただくことをお勧めしますが、宿泊されなくても展示はご覧いただけます。「花」と対話するひとときをぜひお楽しみいただけたら幸いです。
菅 木志雄 倉庫美術館
アーティスト菅木志雄の作品のみを常時展示している美術館です。
スタッフが庭の作品などもあわせて毎日案内しています。
- 現代アートと大黒屋
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なぜアートなのか
それは アートの持つエネルギーが我々の持つ美意識に働きかけてくれるからです
日常忘れかけている心の美に気づきそれに触れるとき・・・
我々は本当の自分に出会えるのではないでしょうか
浴衣姿になってアートに触れる・・・ 美術館では味わえない開放感と
一筋の緊張感・・・ そこにこそ 本来の心地よさがあるように思います
板室の自然とアートが調和する空間で心身ともにリフレッシュしていただきたい
それが大黒屋の願いです