季節の刻
竹籠展
板室温泉大黒屋は、2021年9月1日(水)から9月29日(水)まで、竹籠展を開催致します。本展は、竹工芸収集の第一人者であり、研究者の斎藤正光氏監修による展覧会になります。
氏は国内外の美術館での展覧会の監修・プロモーションなど手掛けています。「飯塚琅玕斎展」(栃木県立美術館)、「竹の造形 ロイド・コッツェン・コレクション展」(日本橋三越、大分市美術館など国内6箇所で開催)「New Bamboo: Contemporary Japanese Masters」展(ジャパンソサエティー、ニューヨーク)、「線の造形 線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」(菊池寛実記念 智美術館、東京)などに協力したほか、NHK「美の壺」の「竹籠」編や多数の出版物の企画にも携わっており、内外の美術館やコレクターに日本の優れた竹工芸を紹介するなど、竹文化の普及に尽力しています。
竹工芸は、少しマイナーなイメージがありますが、日本人と竹の関わりの歴史は古く、縄文時代使われていたとされています。カゴやザル類、食器や掃除道具などの日用品から、農業、漁業での道具、茶道や華道の道具、笛や尺八などの楽器、竹刀や弓などの武道具、また伝統的な日本家屋にはいたる所に竹が使われていたことから、私たちの生活や文化に根差した素材だといえます。栃木県は、大分県と並ぶ竹工芸の盛んな産地でもありますが、それは大正から昭和にかけて活躍した伝説の籠師、栃木県出身の飯塚琅玕齋が、それまで道具として見られていた竹籠を伝統的な技術に独創的な意匠を加え、芸術品にまで高めたと言われています。
当館では過去に勝城蒼鳳、磯飛節子の個展などを開催しております。本展覧会は、斎藤さんの審美眼で厳選された全国の無銘の竹籠や民具、江戸から昭和に活躍した名工達の竹籠、掛花、菜籠、花籃、盛籃、炭斗、など様々な竹工作品およそ100点展示致します。この機会にぜひご高覧いただけたら幸いです。
会期 : 2021 年 9 月 1 日 – 9 月 29 日 9:00 – 17:00